高齢者あんしん避難ガイド

高齢者のための災害時 食料と水分:持病・体調に合わせた備え方の具体例

Tags: 高齢者, 災害対策, 備蓄, 食料, 水分, 持病, 介護

災害はいつ起こるかわかりません。いざという時、避難生活や自宅での待機が長引くことも考えられます。特に高齢者の方にとって、体力維持や持病の管理のためにも、普段の生活に近い食事や十分な水分補給は非常に重要です。

「どんなものを備蓄すればいいの」「持病があるけど大丈夫かな」「準備が難しそう」といった不安をお持ちかもしれません。この記事では、高齢者の方やご家族が安心して災害時を乗り切れるよう、食料と水分の具体的な備え方について、わかりやすくご説明します。

なぜ高齢者にとって食料と水分の備えが大切なのでしょうか

災害時は、物流の停止やインフラの寸断により、普段のように食料品や飲み物を手に入れることが難しくなります。特に、高齢者の方々には以下のような理由から、事前の備蓄が特に重要となります。

災害に備える基本的な備蓄の考え方

まず、どのくらいの期間の備蓄が必要かを知っておきましょう。国や自治体では、最低でも3日分、できれば1週間分の食料と水分の備蓄を推奨しています。

高齢者や持病がある方向け:備蓄選びのポイント

ただ保存がきくだけでなく、高齢者の方や持病のある方にとって「食べやすい」「体に負担が少ない」ものを選ぶことが大切です。

1. 食べやすさ(嚥下能力への配慮)

2. 栄養バランス

3. 持病への配慮

4. 保存性・開封のしやすさ

5. 食べ慣れたもの・好みのもの

備蓄しておくと便利な食品例

水分の備蓄について

食料と同様に、水分も非常に重要です。脱水症状は命に関わることもあります。

食事関連で一緒に備えておきたいもの

備蓄品の管理と「ローリングストック」

せっかく備蓄しても、賞味期限が切れてしまっては意味がありません。定期的に(半年に一度など)賞味期限を確認し、切れる前に普段の食事で使い、使った分だけ新しく買い足していく方法を「ローリングストック」といいます。無理なく備蓄を続けられるおすすめの方法です。

避難所での食事について

避難所では、多くの方に食事を提供するため、個別のニーズ(アレルギー、持病、食べやすさなど)に十分に対応できない場合があります。

まとめ:小さな一歩から始めましょう

災害時の食料と水分の備えは、高齢者の方々が安心して過ごすために欠かせません。持病や体調に合わせた備蓄品を選ぶこと、そして定期的に点検し入れ替えることが大切です。

まずは3日分からでも構いません。普段の買い物の中で、少しずつ「もしも」のための食品や飲み物を加えてみてください。この記事でご紹介したポイントや食品例を参考に、ご自身やご家族に合った備えを進めていきましょう。

何から始めて良いか分からない場合は、お住まいの自治体の窓口や、地域の社会福祉協議会などに相談してみるのも良い方法です。一人で抱え込まず、周りの助けも借りながら、着実に準備を進めていきましょう。具体的な備蓄リストを作ってみることから始めてはいかがでしょうか。