高齢者あんしん避難ガイド

高齢者のための災害時持ち出し袋と備蓄:持病・介護に合わせた備え方

Tags: 高齢者防災, 災害対策, 持ち出し袋, 自宅備蓄, 介護

はじめに:なぜ高齢者のための持ち出し袋と備蓄が大切なのか

災害はいつ起こるか予測できません。特に、ご高齢の方や、持病をお持ちの方、介護が必要なご家族がいらっしゃる場合、もしもの時のために準備しておくことは、ご自身や大切な方を守るために非常に重要です。

災害発生時には、すぐに避難が必要になる場合(一次避難)と、自宅や比較的安全な場所でしばらく過ごす場合(二次避難や在宅避難)が考えられます。それぞれの状況に備えるために、「持ち出し袋」と「自宅での備蓄」という二つの準備が大切です。

この記事では、高齢者の方やそのご家族が、安心して災害に備えられるよう、具体的にどのようなものを持ち出し袋に入れ、どのようなものを自宅に備蓄しておけば良いのかをご説明します。特に、持病や介護に合わせた備え方にも焦点を当ててご紹介します。

災害発生!まず持ち出すもの(一次避難)

地震や水害など、急な災害発生時に、すぐに安全な場所に避難するために持ち出すものが「非常用持ち出し袋」です。避難場所までの道のりや、避難所で数日間過ごすことを想定した、必要最低限のものを用意します。高齢者の方が持ち出す際に注意したいのは、重すぎないようにすることと、両手が使えるリュックサックなどが適していることです。

高齢者のための持ち出し袋チェックリスト

以下のリストを参考に、ご自身やご家族に必要なものを準備しましょう。

持病や介護が必要な方のための追加チェックリスト

これらのものは、すぐに持ち出せる場所に置いておくことが重要です。玄関や寝室の近くなど、避難経路を妨げない場所に保管しましょう。家族全員でどこに置いているか確認しておくことも大切です。

自宅での備蓄:もしもの時に自宅で過ごすために

災害の規模によっては、自宅にとどまる(在宅避難)か、避難所がすぐに利用できない場合があります。また、避難所が満員であったり、ご自身の体調や介護の必要から避難所での生活が難しい場合もあります。そのような場合に備え、自宅で数日間(最低3日間、可能であれば1週間分)生活できるだけの食料品や生活用品を備蓄しておくことが大切です。

高齢者のための自宅備蓄チェックリスト

自宅備蓄では、持ち出し袋とは異なり、少し多めに、そして普段の生活に近いものを準備できます。

持病や介護が必要な方のための追加備蓄

備蓄する場所は、直射日光や高温多湿を避けた場所を選びましょう。キッチンや物置、押し入れなどが考えられます。何をどこに備蓄したかをリストアップしておき、家族と共有することも大切です。

備蓄品を無駄にしないために

備蓄した食料品や飲料水は、使用期限があります。定期的に(年に数回など)中身を確認し、使用期限が近いものから普段の食事に取り入れて消費し、消費した分を買い足す「ローリングストック」という方法を取り入れると、無駄なく備蓄を維持できます。

まとめ:安心のための第一歩を踏み出しましょう

災害への備えは、一度やれば終わりではありません。ご自身の体調やご家族の状況の変化に合わせて、持ち出し袋や備蓄品を定期的に見直すことが大切です。

「何を準備すれば良いか分からない」「量が分からない」と不安に感じることもあるかもしれません。まずはリストを参考に、できることから少しずつ始めてみましょう。家族やケアマネージャー、地域の社会福祉協議会、役所の高齢福祉課などに相談してみるのも良い方法です。

災害は不安ですが、適切な準備をすることで、もしもの時にも落ち着いて行動し、安全を確保することができます。この記事が、皆様の安心につながる一助となれば幸いです。